薬剤部

薬剤部について

挨拶、理念

 「薬は諸刃の剣」と言われています。それは薬には主作用の反面、使い方を誤ると副作用もあるからです。薬剤部では、患者さまの薬物療法の有効性と安全性の向上のために職員一同が、「信頼と安心を与えるため何ができるかを考えて、行動できる薬剤師」を目指して、日々研鑽に励んでおります。

業務紹介

外来・入院調剤業務

 調剤業務は薬剤師の基礎であり、最も重要な仕事の一つです。処方内容が薬学的観点から適正であるかを確認し、処方内容に疑問点があれば医師に問合せして調剤しています。全ての処方を複数の薬剤師で確認しており、間違いが起きないように細心の注意を払い、患者さまに安心してお薬を服用していただけるよう取り組んでいます。また、電子カルテと連動した処方監査システムを導入することにより、安全かつ迅速に実施しています。

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業務実績
名称 件数 備考
外来処方箋枚数 430枚(平日平均) 令和元年度
入院処方箋枚数 212枚(平日平均) 令和元年度
入院注射箋枚数 817枚(平日平均) 令和元年度
薬剤管理指導件数 2983件 令和元年度
外来・入院抗がん剤調製件数 13720件 令和元年度
病棟業務

 薬剤師は医師や看護師、その他の医療スタッフと共にチームの一員として、入院患者さまの薬物治療をサポートしています。薬剤師がベッドサイドで薬の服用方法、効能効果、副作用、生活上の注意点などについて説明を行っています。また、アレルギー歴、くすりと健康食品(サプリメント)との飲み合わせ、副作用が出ていないかなどの確認も行い、他の医療スタッフへ情報を共有し、最適な薬物治療を提供できるようにサポートしています。

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チーム医療

 多職種の医療スタッフがそれぞれの専門的知識を共有し、チームとなって治療にあたることで医療の質を向上するように努めています。当院の薬剤師は下記にあるチーム医療に積極的に取り組んでいます。

・感染制御チーム(ICT)/抗菌薬適正使用支援チーム(AST)
・栄養サポートチーム(NST)
・緩和ケアチーム(PCT)
・心臓リハビリテーションチーム

抗がん剤業務

 薬剤部では通院治療センター内で、外来・入院で抗がん剤治療を受けられる患者さまの抗がん剤を、安全キャビネットという設備を用いて無菌的に調製しています。さらに個々の患者さまの体重、体表面積、検査値等情報をもとにレジメン(治療計画)に沿った抗がん剤の投与量や投与スケジュールなどが適正であるか確認しています。

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院内製剤業務

 市販化されていない製品で、治療上必要なくすりを薬剤師が有効性や安全性に配慮し独自に調製しています。当院では内服・外用・注射・消毒薬などあらゆる剤形の院内製剤を調製しており、必要時には無菌室やクリーンベンチなどの専用の設備を使用し品質も確保しています。

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医療用麻薬管理業務

 医療用麻薬はがんの痛みや手術に伴う痛みの治療、慢性の疼痛に用いられる、とても必要なくすりです。医療用ではありますが、麻薬という性質上「麻薬及び向精神薬取締法」にて、管理方法が厳しく規制されており、厳重かつ適正な管理が求められます。薬剤師は麻薬の購入から調剤・廃棄までを行い、その一連の麻薬の動きの全てをシステム管理しています。

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医薬品情報室(DI)

 医薬品情報室では、くすりに関する情報、院内採用薬を決定する「薬事委員会」のサポートなど、さまざまな情報を収集・管理しています。そして精査した情報を医療スタッフに発信し、常に最新の情報を発信出来るように体制を整えています。

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薬品管理業務

 薬品管理業務では、病院内で使用する医薬品の購入と供給、在庫管理や品質管理を行っています。医薬品には非常に高価なものや、期限の短いものもあり厳密な管理が求められます。

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その他

 上記内容の業務の他にも、糖尿病教室や腎臓病教室といった集団患者教育やくすりの血中濃度をもとに個々の患者さまに応じた有効性・安全性を評価する薬物血中濃度モニタリング業務など、様々な業務に取り組んでいます。また、新人教育や勉強会などの研鑽にも力を入れるとともに、将来薬剤師を目指す薬学部の実習生も受け入れています。

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薬剤部員構成(令和2年12月現在)

 薬剤師:26名 / 事務職員9名 /レジデント:1名

博士(薬学) 2名
修士(薬学) 5名
日本医療薬学会 医療薬学専門薬剤師 3名
日本病院薬剤師会 病院薬学認定薬剤師 6名
がん薬物療法認定薬剤師 1名
日本緩和医療薬学会 緩和薬物療法認定薬剤師 1名
日本糖尿病療養指導士認定機構 日本糖尿病療養指導士 1名
日本薬剤師研修センター 認定実務実習指導薬剤師 5名
漢方薬・生薬認定薬剤士 1名
日本アンチドーピング機構 スポーツファーマシスト 2名
奈良県肝炎医療コーディネーター 1名

    2020年111日現在

レジデント(臨床医療薬学系連携大学院方式学部講座)

薬剤部では2020年度より近畿大学大学院薬学研究科の連携大学院方式学部講座の大学院生の受け入れを開始し、薬剤師レジデント研修制度を創設しました。近畿大学薬学部と連携しながら、将来、臨床薬学研究も遂行できる薬剤師の教育も行っています。

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業績

【2020】
1) Ota R.,Hirata A.,Noto K.,Yokoyama S.,Hosomi K.,Takada M.,Matsuoka H.,Relationship between serum calcium and creatinine in hematopoietic stem cell transplantation patients treated with foscarnet,International journal of clinical pharmacology and therapeutics,2020,58,274-281.
2) Okamoto H.,Yoshikawa T.,Takeuchi K.,Deguchi S.,Hatakenaka Y.,Matsuoka H.,Kawabata A.,Nagai N.,A Combination of Cryopreservation and Kneading Maintains the Usability of Mohs Paste,Chem Pharm Bull,2020,68,516-519.
3) Hayashi T.,Kawaguchi H.,Eifuku T.,Matsuoka H.,Kawabata A.,Nagai N.,Changes in Percutaneous Absorption of Fentanyl Patches in Rats Treated with a Sebum-Like Secretion,Chem Pharm Bull,2020,68,879-884.

【2019】
1) 林 友典,高科 結衣,川口 陽奈子,永福 紡,松岡 寛,川畑 篤史,長井 紀章,フランツ型拡散セルを用いた市販フェンタニルテープの経皮吸収性の評価:温熱条件下における薬物放出性と皮膚透過性の測定,医療薬学,2019,45,416-422.
2) 畑 武生,平田 敦士,濱田 武,能登 啓介,太田 涼介,西原 雅美,松岡 寛,勝間田 敬弘,向精神薬の過量服薬による急性毒性のリスク評価,日本病院薬剤師会雑誌,2019,55,1216-1222.
3) 太田 涼介,平田 敦士,畑 武生,能登 啓介,福井 愛子,西原 雅美,勝間田 敬弘,松岡 寛,有害事象自発報告データベース(JADER)を用いたニューキノロン系抗菌薬の横紋筋融解症に関する解析,日本病院薬剤師会雑誌,2019,55,619-624.
4) Ota R.,Hirata A.,Noto K.,Yokoyama S.,Hosomi K.,Takada M.,Matsuoka H.,Relationship between the blood concentrations of tacrolimus and voriconazole in hematopoietic stem cell transplant recipients,International journal of clinical pharmacology and therapeutics,2019,57,561-566.
5) Hirata A.,Noto K.,Ota R.,Yokoyama S.,Hosomi K.,Takada M.,Matsuoka H.,Voriconazole trough concentration and hepatotoxicity in patients with low serum albumin,International journal of clinical pharmacology and therapeutics,2019,57,135-143.

【2018】
1) 能登 啓介,平田 敦士,畑 武生,太田 涼介,福井 愛子,林 友典,西原 雅美,勝間田 敬弘,松岡 寛,国内の有害事象自発報告データベース(JADER)を用いた抗アレルギー薬の鎮静等の有害事象に関する解析,日本病院薬剤師会雑誌,2018,54,63-68.
※日本病院薬剤師会『学術奨励賞』受賞

【2017】
1) 緒方 文彦,林 友典,平田 敦士,能登 啓介,松岡 寛,川﨑 直人,簡易懸濁法適応時におけるNaClの影響およびチューブ通過性に関する基礎的研究,臨床環境医学,2017,26,45-54.
2) Fujiwara Y.,Fukuda S.,Tsujie M.,Kitani K.,Inoue K.,Hayashi T.,Ishikawa H.,Yukawa M.,Inoue M.,Outcome predictors for patients with stage II/III gastric cancer who undergo gastrectomy and S-1 adjuvant chemotherapy,Oncol Lett,2017,14,1621-1627.

【~2016】
1) 平田 敦士,能登 啓介,林 友典,岡本 広世,太田 涼介,西浦 早織,松岡 寛,医薬品情報検索システムの構築および他職種間での質問内容の実態調査,日本病院薬剤師会雑誌,2015,51,541-544.
2) 長井 紀章,緒方 文彦,塚本 あゆみ,林 友典,西浦 早織,松岡 寛,小竹 武,川﨑 直人,伊藤 吉將,デキストリン併用投与がクレメジン®細粒経管投与時の低回収率およびチューブ詰まりに与える影響,薬局薬学,2014,6,22-27.
3) 長井 紀章,緒方 文彦,林 友典,西浦 早織,松岡 寛,川﨑 直人,伊藤 吉將,カリメート®散経管投与時の低回収率およびチューブ詰まりに対するデキストリンの保護効果,医療薬学,2013,39,33-38.
4) 平田 敦士,松岡 寛,落合 孝充,中尾 治香,西浦 早織,立花 貞信 ,疑義照会情報共有システムの構築および紙媒体を利用した照会内容のフィードバック化の有用性,日本病院薬剤師会雑誌,2012,48,67-71.
5) 西浦 早織,中村 暢彦,平井 三保子,紙谷 公彦,籠本 基成,石津 雅弘,高齢者におけるFOLFOX療法の有害事象発現に対する後ろ向き調査,日本病院薬剤師会雑誌,2010,46,905-908.
6) 緒方 文彦,川崎 直人,林 友典,西浦 早織,松岡 寛,立花 貞信,掛樋 一晃,簡易懸濁法適用時におけるベシル酸アムロジピンを主成分とする製剤(先発品および後発品)の溶出量,医療薬学,2010,36,874-879.
7) Yamazoe Y.,Tsubaki M.,Matsuoka H.,Satou T.,Itoh T.,Kusunoki T.,Kidera Y.,Tanimori Y.,Shoji K.,Nakamura H.,Ogaki M.,Nishiura S.,Nishida S.,Dimethylfumarate inhibits tumor cell invasion and metastasis by suppressing the expression and activities of matrix metalloproteinases in melanoma cells,Cell Biol Int,2009,33,1087-1094.
8) Matsuoka H.,Tsubaki M.,Yamazoe Y.,Ogaki M.,Satou T.,Itoh T.,Kusunoki T.,Nishida S.,Tamoxifen inhibits tumor cell invasion and metastasis in mouse melanoma through suppression of PKC/MEK/ERK and PKC/PI3K/Akt pathways,Exp Cell Res,2009,315,2022-2032.
9) Taga A.,Kita S.,Nishiura K.,Hayashi T.,Kinoshita M.,Sato A.,Suzuki K.,Kodama S.,Kakehi K.,Analysis of an antibody pharmaceutical, tocilizumab, by capillary electrophoresis using a carboxylated capillary,J Sep Sci,2008,31,853-858.
10) Fujiwara K.,Tsubaki M.,Yamazoe Y.,Nishiura S.,Kawaguchi T.,Ogaki M.,Nishinobo M.,Shimamoto K.,Moriyama K.,Nishida S.,[Fluvastatin induces apoptosis on human tongue carcinoma cell line HSC-3],Yakugaku zasshi : Journal of the Pharmaceutical Society of Japan,2008,128,153-158.
11) Tsubaki M.,Matsuoka H.,Yamamoto C.,Kato C.,Ogaki M.,Satou T.,Itoh T.,Kusunoki T.,Tanimori Y.,Nishida S.,The protein kinase C inhibitor, H7, inhibits tumor cell invasion and metastasis in mouse melanoma via suppression of ERK1/2,Clin Exp Metastasis,2007,24,431-438.
12) Tsubaki M.,Kato C.,Manno M.,Ogaki M.,Satou T.,Itoh T.,Kusunoki T.,Tanimori Y.,Fujiwara K.,Matsuoka H.,Nishida S.,Macrophage inflammatory protein-1alpha (MIP-1alpha) enhances a receptor activator of nuclear factor kappaB ligand (RANKL) expression in mouse bone marrow stromal cells and osteoblasts through MAPK and PI3K/Akt pathways,Mol Cell Biochem,2007,304,53-60.
13) Nishida S.,Matsuoka H.,Tsubaki M.,Tanimori Y.,Yanae M.,Fujii Y.,Iwaki M.,Mevastatin induces apoptosis in HL60 cells dependently on decrease in phosphorylated ERK,Mol Cell Biochem,2005,269,109-114.
14) Kamoda S.,Nomura C.,Kinoshita M.,Nishiura S.,Ishikawa R.,Kakehi K.,Kawasaki N.,Hayakawa T.,Profiling analysis of oligosaccharides in antibody pharmaceuticals by capillary electrophoresis,J Chromatogr A,2004,1050,211-216.

【書籍】
1) 経管投与の新しい手技 簡易懸濁法Q&A Part1 基礎編 第2版,林 友典(執筆協力),倉田 なおみ (監修) ,簡易懸濁法研究会 (編集) ,じほう.
2) 簡易懸濁法 なぜ?困った!を解決するアイディア&ヒント,月刊誌「薬局」,林 友典(分担執筆),2009年7月 Vol.60 No.8,南山堂.
3) 簡易懸濁法マニュアル,林 友典(執筆協力),倉田 なおみ,石田 志朗/編著,簡易懸濁法研究会,じほう.