ジスロマック

効果・効能

ジスロマックはアメリカの大手製薬メーカー「ファイザー社」が開発した先発薬です。
有効成分であるアジスロマイシンはマクロライド系に分類される抗生物質であり、抗菌作用が強いという特徴を持ちます。

細菌が分裂・増殖する際にはリボソームという器官でたんぱく合成が行なわれます。
アジスロマイシンは細菌内に取り込まれてリボソームの働きを阻害すると、タンパク質合成が行なわれなくなるため、細菌感染症状が抑えられるのです。

またアジスロマイシンを含むマクロライド系抗生物質には、抗菌作用だけでなく抗炎症作用も認められています。
免疫反応を調整することで、細菌感染による炎症の抑制が期待できるのです。

適応菌の多さから第一選択薬として処方されています

ジスロマックは日本で承認されている医薬品であり、歯科や泌尿器科、皮膚科などあらゆる医療機関で扱われています。
適応菌種が多いことからさまざまな細菌感染症の第一選択薬として処方される治療薬です。

適応症は咽頭炎や喉頭炎、リンパ節炎、副鼻腔炎、肺炎、歯周組織炎、深在性皮膚感染症など多岐にわたります。

またマクロライド系抗生物質は抗菌作用が強く、従来の抗生物質が効きにくかったクラミジアや淋病にも効果を発揮します。
とくに性感染症のなかでも感染者数が多いクラミジアは、ジスロマックによる治療が行なわれるケースがほとんどです。

ウイルスや真菌には適性がありませんが、インフルエンザ感染で起こる細菌の二次感染を予防するために処方されることもあります。

用法・用量

クラミジアや淋病による尿道炎・子宮頸管炎の場合、アジスロマイシンとして1000mg（4錠）を1日1回だけ服用します。

扁桃炎や肺炎など性感染症以外の症状であれば、アジスロマイシンとして500mg（2錠）を1日1回、3日間服用します。

なお上記はあくまでも成人における服用方法の目安です。
年齢や症状の程度によって用法・用量の調整が必要になるため、判断が難しい場合はかかりつけの医師にご相談ください。

少ない服用回数で効果が得られます

アジスロマイシンは作用の持続時間が長い抗生物質です。
1000mgを1日1回のみ服用した場合、効果は最大10日間続きます。
クラミジアであれば単回投与で充分な効果が得られます。

また500mgを1日1回3日間服用した場合では、その他抗生物質の7～14日間の服用と同等の効果が得られることがわかっています。

参照

効果・効能、用法・用量について、以下のサイトを参照しました。

• KEGGデータベース「ジスロマック」

副作用

アジスロマイシンの抗菌作用は病原性細菌だけではなく、腸内の常在菌にも及びます。
そのためジスロマックの服用後に善玉菌のバランスが崩れ、一時的ではありますが下痢・腹痛をもたらす可能性があります。
胃腸症状が気になる場合は整腸剤との併用が可能です。

まれな副作用として蕁麻疹、悪心、嘔吐、便秘、頭痛、めまいなどの症状が報告されています。
発生頻度は0.1～1％未満と少ないものの、異常を感じた場合はすぐに身近な医療機関を受診してください。

禁忌・注意

アジスロマイシンはアレルギーを起こしにくく、ペニシリン系・セフェム系の抗生物質にアレルギーがある人でも使用できます。
しかしアレルギー体質である場合は過敏症状が出てしまう恐れがあるため、心当たりがある場合は服用前に必ず医師にご相談ください。

また授乳中の女性もジスロマックを服用できません。
母乳に含まれる有効成分が乳児に影響を与える恐れがあるため、やむおえず服用する場合は断乳するなどして対処する必要があります。

使用上の注意

※以下の医薬品を服用中の人は、ジスロマックの服用について医師に相談してください。

• 強心薬（ジゴキシンなど）
• 免疫抑制剤（シクロスポリンなど）
• 制酸剤を含む胃腸薬
• メシル酸ネルフィナビル

※以下に当てはまる人は、ジスロマックの服用に注意が必要です。

• 妊婦、産婦
• 重度の肝臓病
• アレルギー体質

参考サイト

本商品の詳細は、海外メーカーの商品情報の翻訳および以下のサイトを参考に編集しています。

• KEGGデータベース「ジスロマック」
• フリー百科事典 ウィキペディア「アジスロマイシン」